福井県みどりのデータバンク | 動物目録(陸産貝類) |
1. 陸産貝類調査の概要 |
第2回の生息調査は両生類・爬虫類、陸水生貝類の調査と並行し、1993年度から1997年までの5ケ年にわたって行われた。陸産貝類の調査は、春季の陸産貝類出現時期から冬眠する秋季まで、第1回の調査の漏れた地域を重点に行い、重要種に関しては再調査を行った。県内の平野部の水田や湿地、林道、山岳地帯を広範囲に行い、成体を採集して種を記録した。また、大型種の死殻や幼貝も収集して調査の精度を高めた。さらに、微小貝については貝類の生息している腐葉土も持ち帰り分別して採集デ−タの補完に努めた。合わせて、数は少ないが最近の開発工事に伴う環境アセスメント調査報告書、県外の研究者の調査デ−タ−等も利用した。 結果については第一次調査で使用した、県内を四方の1179の2kmメッシュに区分したメッュ台帳に今を記入し、合わせて今回の調査では確認できなかったが、前回の生息が確認された地点、生息は確認されなかったが文献に記載された種も同メッシュ台帳に記入した。 |
2. 陸産貝類相の概要 |
これまでの調査で、福井県陸産貝類として総数24科108種・亜種*を挙げられる。その内、生息が確認された陸産貝種数は新規も含めて20科102種である。生息が確認できなかった種は、ムシオイガイ、ヘソカドガイ、ウスイロヘソカドガイ、ナタネキバサナギガイ、ヤマトキバサナギガイ、マルタネガイで、微小種である 2回の調査で福井県の35市町村中7割にあたる24市町村以上に生息し、今回の調査でも7割以上の生息が確認できた種は、ヤマキサゴ科ヤマキサゴ(=モミジヤマキサゴ)、ヤマタニシ科ヤマタニシ、ゴマガイ科ゴマガイ、キセルガイ科ナミギセル、ナメクジ科ナメクジ、ナンバンマイマイ科カドバリニッポンマイマイ、ヤマタカマイマイ、オナジマイマイ科オオケマイマイ、ツルガマイマイ、オナジマイマイ、ウスカワマイマイの、7科10種であり、これらの種は他県と同様福井県に生息する普通種といえる。また、福井県の35市町村の2割以下の6市町村に生息する分布域の狭い種は、17科40種・亜種を数える。環境庁の日本の絶滅のおそれのある野生生物(レッドデ−タブック:1991年)には記載されている該当種は存在しない。 |
出典「福井県の両生・爬虫類・陸産貝類目録」(1998年3月 福井県県民生活部自然保護課) 出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2003年3月 福井県福祉環境部自然保護課) |