福井県みどりのデータバンク | 動物目録(両生類) |
番号 | 分類(目) | 分類(科) | 和名 | 学名 | 法指定 | RDB_category(環境省) | RDB_category(福井県) |
1 | サンショウウオ目 | サンショウウオ科 | アベサンショウウオ | Hynobius abei | 国内希少野生動植物種 | 絶滅危惧TA類(CR) | 県域絶滅危惧T類 |
2 | クロサンショウウオ | Hynobius nigrescens | 要注目 | ||||
3 | ヒダサンショウウオ | Hynobius naevius kimurae | |||||
4 | ハコネサンショウウオ | Onychodactylus japonicus | |||||
5 | オオサンショウウオ科 | オオサンショウウオ | Megalobatrachus japonicus | 特別天然記念物 | 準絶滅危惧(NT) | 県域絶滅危惧T類 | |
6 | イモリ科 | イモリ | Cynops pyrrhogaster | ||||
7 | カエル目 | ヒキガエル科 | アズマヒキガエル | Bufo japonicus formosus | |||
8 | ナガレヒキガエル | Bufo torrenticola | 県域準絶滅危惧 | ||||
9 | アマガエル科 | ニホンアマガエル | Hyla japonica | ||||
10 | アカガエル科 | ニホンアカガエル | Rana japonica japonica | ||||
11 | ヤマアカガエル | Rana ornativentris | |||||
12 | タゴガエル | Rana tagoi tagoi | |||||
13 | ダルマガエル | Rana porosa brevipoda | 絶滅危惧U類(VU) | 県域絶滅危惧U類 | |||
14 | トノサマガエル | Rana nigromaculata | |||||
15 | ツチガエル | Rana rugosa | |||||
16 | ウシガエル | Rana catesbeiana | |||||
17 | アオガエル科 | シュレーゲルアオガエル | Rhacophorus schlegelii | ||||
18 | モリアオガエル | Rhacophorus arboreus | |||||
19 | カジカガエル | Buergeria buergeri |
1. 両生類調査の概要 |
本資料は、1980年度から1983年度に実施した第1回のみどりのデータバンク事業による調査結果、さらに、同調査を補完するため、1993年度から1997年度までの5ケ年間にわたって実施した第2回調査結果を基にしている。調査結果は、県内を2Km四方の1179メッシュに区分したメッシュ台帳に記入整理している。なお、1993年度から1997年度まで実施した2回目の調査結果には、前回の調査年度以降の1984年度からの調査結果もデータとして用いている。 調査は春季の繁殖期を中心に秋季まで、県内の水田や湿地、湖沼、谷川、山岳地帯を重点的に行い、成体、幼生、卵塊、鳴き声等を参考として種を記録した。なお、必要に応じて採集された個体や卵等の標本は、福井市立自然史博物館および富山市科学文化センターに収蔵してある。 |
2. 両生類相の概要 |
我が国に分布する両生類はサンショウウオ目3科6属22種、カエル目5科9属39種(いずれも亜種を含める)で、福井県ではサンショウウオ目3科4属6種、カエル目4科5属13種計19種の両生類が分布し、我が国全体の約30%を占めている。今回の調査結果で得られた福井県での両生類相と北陸地方の石川、富山両県のもの(文献による)とを比較した結果を以下に示した。 サンショウウオ目において特筆すべきこと、は石川県には、環境庁版レッドデータブックでは絶滅危惧TB類とされているホクリクサンショウウオ Hynobius takedaiや、富山県には Nambu (1991) により新種記載されたヤマサンショウウオ H. tenuis が生息していることである。現在まで福井県にはこれらの種は確認されていない。福井・石川・富山県ではクロサンショウウオ、ヒダサンショウウオ、ハコネサンショウウオの3種の分布は共通しているが、福井県ではこれら3種以外の特に止水性サンショウウオの生息の可能性が以前から考えられてきた。ところが1993年春に福井県北部の丘陵地から止水性サンショウウオの一種と思われる幼生が、1997年春にはその卵塊残査の一部が発見された。その後、同箇所で1997年12月に採取した成体を詳しく調べた結果、このHynobius属の一種と思われるサンショウウオは、それまで京都府および兵庫県にのみ局所的に分布するとされていたアベサンショウウオであることが確認された。 滋賀県で報告されているカスミサンショウウオH. nebulosus nebulosus、ブチサンショウウオ H. naevius(松井、1979)は福井県では確認されていない。 カエル目においては、ナガレタゴガエルRana sakuraii が石川・富山両県に分布しているのにかかわらず、福井県では現在までその生息が確認されていなことや、中国・四国・関西・東海地方に分布しその生息数が激減しているダルマガエルが日本海側として唯一、福井県若狭地方にのみ分布していることなどが注目に値する。滋賀県や岐阜県で報告されているヌマガエル R. limnocharis limnocharis は福井県では確認されていない。 |
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出典「福井県の両生・爬虫類・陸産貝類目録」(1998年3月 福井県県民生活部自然保護課) 出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行) |