福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
鳥獣の重要な生息地
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名   称 坂井平野
学   名
分 類 1 鳥獣の重要な生息地
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
三国町あわら市(旧芦原町)坂井町春江町福井市):(543,544,545,546,547,548,579,580,581,582,583,584,585,586,615,616,617,618,619,620,621,622,652,653,654,655,656,657,697,698,699)
選定理由 渡り鳥の渡来地または中継地
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  本平野は,嶺北地方に広がる広義の福井平野のうち,西流する九頭竜川以北の,坂井郡に属する約15km 四方の平地部をいう.本県でも最も土地生産性の高い地帯であり,ほとんどが水田として利用されているが,積雪のある冬期はあまり耕作されずに放置されている.ここでは,シギ類の渡りの中継地として,また,ガン類・カモ類の越冬地として多くの鳥種が確認されている.春期には,ツルシギ,チュウシャクシギなどが,秋期には,タシギ,タカブシギなどのシギ類が記録されており,また,最近の「ガンカモ科鳥類生息調査」によると,石川県加賀市片野の鴨池をねぐらとしているガン類のうち約1,500 羽が飛来する.そのほとんどはマガンであるが,ヒシクイも200 〜300 羽が主に九頭竜川河口付近に飛来している.その他,コクガンおよびマガンを里親とした増殖計画に基づくハクガンも時に観察されている.そして,コガモ,マガモなどのカモ類も多く渡来している.また,ハクチョウ類についても毎年記録されている.これらの鳥類は,九頭竜川の河口から中流域の川幅の広い,流れの緩い場所をねぐらとして,また,耕起されたり,刈り入れの終わった水田を採食場所として利用している.主にイネの二番穂,落ち穂や雑草の種子などを採食している.
保護の現状
 と留意点
 現在,本地域の一部では,「鳥獣保護法」により狩猟の一部が規制されている.ガン類は,過去に猟銃で射殺されたことがあり,鳥獣保護区や銃猟禁止区域に指定するなどにより万全を期すことが望まれる.しかし,大規模な面積を有していることから,今後の調査で生息場所の絞り込みなどを行い,実施できることから対処することが現実的である.

(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)