福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
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名   称 セイタカシギ
学   名 Himantopus himantopus
分 類 1 鳥類
分 類 2 チドリ目セイタカシギ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
特定せず
選定理由 保護上重要な種・亜種
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
  • 鳥獣保護法      :非狩猟鳥類
  • レッドリスト(福井県):県域絶滅危惧T類 / レッドリスト(環境省):絶滅危惧TB類(EN)
解   説  種としては,熱帯から温帯にかけて,降雨林から砂漠地帯までほぼ世界的に点々と繁殖している.日本では,本亜種が旅鳥として各地で,個体数は少ないが,比較的頻繁に観察される.1975 年に愛知県鍋田干拓地で初めて繁殖が確認されてから,愛知県や東京湾沿岸を中心に,越冬・繁殖も確認されるようになっている.本県では,1981 年9 月に芦原町で確認されて以来,春期に時々,数羽が確認されている.1991 年4 月に足羽川の中州で観察された時は,ツルシギの群れに混じっていた.1995 年9 月に鯖江市で確認された時は,メスの成鳥と幼鳥が水の張った休耕田に3 羽のオオソリハシシギと共に飛来した.1996 年7 月には福井市内の九頭竜川の中州で1 羽が確認された.更に1998 年5 月には,福井市久喜津町の水田に成鳥と幼鳥の4 羽が飛来した.しかしそれらの滞在期間は短く2 〜3 日のようであった.このように近年,本県でも時々確認されるようになったことは,飛来数も増える傾向にあるものと思われる.浅い淡水・塩水の湖沼や河川周辺の水田や湿地帯,河口部の干潟などで生息する.また,河川の中州や田植えの済んだ水田辺りで見られることもある.
保護の現状
 と留意点
 現在,「鳥獣保護法」により本亜種の捕獲,飼養,譲渡などが規制されている.河川の中州や早苗田の環境を好むものと思われるが,水の張った休耕田へ飛来する可能性も高く,このような休耕田の保全も大切である.また,事前に,その他の種も含めた湿地性の大型の希少鳥類の飛来に対する「対応・保護マニュアル」を作成しておくことも重要である.

(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)

出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行)