| |||
[先頭ページ]
[前のページ]
[次のページ]
【動物目録の該当ページ】
| |||
名 称 |
ハヤブサ | ||
---|---|---|---|
学 名 |
Falco peregrinus | ||
分 類 1 |
鳥類 | ||
分 類 2 |
タカ目ハヤブサ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
特定せず | ||
選定理由 |
保護上重要な種・亜種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
| ||
解 説 |
種としては,南極大陸を除く全世界に広く分布する.多くは留鳥だが,寒地のものは暖地に渡って越冬する.日本では,本亜種が北海道から九州の海岸部を中心に繁殖する.本県では,海岸部に周年,生息するものと市街地の中心部に定着している個体が確認されている.主に海岸部の断崖に生息・繁殖するが,最近は内陸部での繁殖記録も増加している.また,冬期は湖沼,河川,干拓地,農耕地などでも観察される.本県では,2 月の巣場所への固執から始まり,3 〜4 月に産卵し,30 〜33 日の抱卵期間を経てふ化した雛は,35 〜40 日で巣を離れる.餌は,小型〜中型の鳥類がほとんどであり,中でもハト類とヒヨドリの占める割合が高い. | ||
保護の現状 と留意点 | 現在,「鳥獣保護法」および「種の保存法」で本亜種の捕獲,飼養,譲渡などが規制されている.本亜種の本県における生息状況は,嶺北地方ではかなり明らかになっているが,嶺南地方では断片的である.そのため,生息が確認される前に,人知れずその環境が消失している可能性があり,詳細な調査が急務である.本亜種は海岸部の崖地という特殊な環境で営巣するため,繁殖適地が限られている.本県でも,繁殖可能な場所は多くなく,その保全は重要な課題である.具体的には,崖地の落石防止の吹き付け作業における配慮と密猟または悪質な写真家への対処が必要である.崖地の岩棚を営巣場所と餌の貯蔵場所に利用しているため,吹き付けによってそれが失なわれれば,繁殖が不可能になる.ほかに,崖地には見晴らしの良さと高度差が必要であり,崖地の前に高い建造物を建てることは避けるべきである.また,営巣地の情報は,公開するべきではないし,今後の状況によっては,監視体制を整えるなどの保護対策が必要となる.幸い,本亜種は,ほかの希少猛禽類のように人間に対する警戒心がそれほど強くなく,人間側の配慮と対処が適切であれば,共存は十分に可能である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) 出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行) |