福井県は、本州のほぼ中央部にあり、比較的山岳面積が広く、県土の約75%が森林となっています。しかし、その大半は植林地や何等かのかたちで人の手が入った森林で、原生の森は全国的にみても少なくなっています。また、福井県は敦賀市の北東にある山中峠から木ノ芽峠を経て栃ノ木峠に至る稜線で、「嶺北」、「嶺南」といわれる二つの地域に分けられ、地形、気候などの自然面だけでなく、社会、文化の面でもかなりの違いを見せています。
嶺北地方の海岸線には見事な段丘が発達していて、これらの海岸線が浸食された海食崖と奇岩が造る男性的な隆起性の岩石海岸は、越前加賀海岸国定公園に指定されています。 一方、嶺南地方は、典型的なリアス式海岸の景勝の地に恵まれ、海岸全体が若狭湾国定公園に指定されています。
気候は、内陸部ではいわゆる北陸型の気候に属し、冬にはシベリア寒気団の影響で多量の雪が降り、降水量は年間3,000ミリ以上にも達し、晴天日数は年間100日にもなりません。 一方、海岸部では対馬暖流の影響を受けて、冬でも比較的暖かく、特に嶺南地方では次第に北陸型から山陰型の気候となり、年間の晴天日数もやや多くなります。