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●種の特性
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低山帯から亜高山帯の成熟した森林に生息する.果実や種子を採食し,昆虫などもよく捕食する.
夜行性で主に樹上で活動し,日中は樹洞や鳥の巣箱の中などで休息する. 気温が低下して昆虫などの餌が少なくなる10 〜11 月頃から冬眠を開始し,環境温度に合わせて0℃近くまで体温を低下させる. 春から秋にかけて1〜2回出産する.産子数はふつう3〜6 子.
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●生息状況
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日本固有種で1 属1 種.本州,四国,九州のほか,隠岐島後に分布しているが,分布は断続的であり,和歌山県,長野県,富士山麓などの特定の地域に多く分布する.
本県では,奥越地域の勝山市,大野市と丹南地域の今庄町,嶺南地方の上中町,名田庄村での生息が確認されているが,記録が少ない.
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●存続を脅かす要因
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樹洞などのひそみ場所が数多くあり,餌となる昆虫が多数生息する成熟した広葉樹の森林の減少や,生息域の分断・縮小による個体群維持への影響が大きい.特に天然林の伐採は脅威となる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.222pp .福井県.
福井県.1999 .福井のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県. 日高敏隆(監).1996 .日本動物大百科1 哺乳類T.156pp .平凡社,東京.
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