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●種の特性
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体長約20mm 前後.中型の細長いオサムシ.全体黒色.分布域にはクロナガオサムシがいるが,小型で,鞘翅の隆起鎖線はより明瞭.ホソヒメクロオサムシにも類似するが,後種は鞘翅が短く,分布域がやや下部になる.
寒冷樹林帯以上に分布し,石下や藪下等で見られ,高標高の車道があれば側溝に落ちている.少なくはないが,ベイトトラップ以外では偶然拾える程度である.
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●生息状況
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白山山塊特産.コクロナガオサムシの1 亜種で,種としては北海道と本州中部以北及び紀伊半島に分布し,各山魂ごとに亜種が設定されている.
本県では大野市三ノ峰から記録されている.厳密には剣ヶ岩より上部に分布する.当地は白山山塊において最も南西部に当たり,当地は本亜種の西限になる.
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●存続を脅かす要因
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現状は白山国立公園特別保護地区の指定を受け,捕獲が禁止されているとともに,生息域も保護されている.
しかし,ゴミや本来存在しない植物の種子等登山者による持ち込みの影響を受けており,それらによる環境変化が懸念される.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .
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