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●種の特性
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体長約15mm .背面は緑がかった褐色,各鞘翅は中央に黄色の勾玉(まがたま)紋を持ち,その後方に黄色の三角紋がある.この斑紋は変化し,時に消失する.後翅は無く,飛べない.斑紋の縮小したニワハンミョウに似るが,鞘翅肩部が無く,鞘翅の点刻列を欠く.
低山地から中山地の下草の無い地表に現れ,忙しく走り回っている.時に林道の側溝に落ちている.早春から夏期に出現する.局所的に発生するが,少なくはなく,時に群生する.多降雪地帯を代表する昆虫として知られる.
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●生息状況
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北海道南部,本州中部以北,佐渡島に分布する.
本県では丸岡町から勝山市に掛けての加越山地中心に生息が確認されている.個体数は少ないが,丸岡町や勝山市では,早春に側溝で拾う事がある.ブナ帯に現れる.永平寺町冠岳は本種の西限に当たる.
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●存続を脅かす要因
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後翅が無く飛べず,移動が極端に制限された虫であるため,環境の変化に極めて弱い.
開けた環境に出現するが,必ず周囲には豊かなブナ帯の存在があり,間接的に依存しているらしい.直接的な環境改変だけでなく,間接的な環境改変も,本種にとって脅威となる.
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●参考文献
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福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
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