福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 ニッポンハナダカバチ

 

 ハチ目アナバチ科

 Bembix niponica F.Smith

 福井県カテゴリー  県域準絶滅危惧
 環境省カテゴリー  情報不足
 
 
 
  
 ●種の特性
このハチの横顔が,鼻が高いように見えるところからハナダカバチと名付けられた.世界から330 種が知られている.乾燥した砂地での代表種.
ほとんどの種が,大型のアブ,ハエ類を狩る.乾燥した砂地や,かなり堅い地中にも多くは集団的に営巣する.
最初の獲物を搬入した直後に卵を産む.母バチは入口を閉じ,ふ化するとすぐ新鮮な獲物を成長に応じて与える.この時母バチは幼虫と対面をする.ミツバチの社会生活に至る前家族生活をしている.
 ●生息状況
日本には,ニッポンハナダカバチが北海道から屋久島まで見られ,南西諸島の石垣島,竹富島にはタイワンハナダカバチが分布している.
1980 年代までは,県内各地の海岸,河川敷,湖畔にこのハチのコロニ−がよく見られたが,急激に減少した.
公園や墓地等の造成に伴い,土砂と共に運ばれた繭が,偶発的に大発生しても環境条件がそろわず消滅する.
 ●存続を脅かす要因
集団で営巣する習性から,ある程度砂地の面積も要求されるが,海岸,河川敷,湖畔等の環境の改変が進んだため,このような営巣可能な良好な砂地が減少している.
 ●参考文献
常木勝次.1936 .ハナダカバチの習性について.関西昆虫学会会報,(7):64- 69 .関西昆虫学会.
常木勝次.1948 .はなだかばち研究記.303pp .札幌講談社.
Tsuneki,K .1956- 1958 .Ethological studies on Bembix niponica Smith ,with emphasis on the psychobiologial analysis of beheviour inside the nest (Hymenoptra Sphecidea)T〜V.Mem .Fac .
Lib .Arts ,Fukui Univ .,U(6- 8):77- 172 ,1- 116 ,1- 78 .

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