福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 ニトベギングチ

 

 ハチ目ギングチバチ科

 Spadicocrabro nitobei (Matsumura)

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧U類
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
日本産ギングチバチの中でも大型に属し体長は18mm に及ぶ.また,一見キボシアシナガバチに似た異色のギングチバチである.朽ち木の虫孔に営巣し,幼虫の餌にゴマシオキシタバ,エゾシロシタバ,オニベニシタバやヤガ類の成虫を狩り入れる.
 ●生息状況
インド(シッキム),台湾,日本に分布する.
わが国では青森,山形,新潟,長野,富山,石川,三重,福井県など本州の低山から中山地に至る広い範囲に生息する.
県内の分布地は大野市,美山町,今庄町,敦賀市,美浜町及び名田庄村で,7 月から9 月下旬にかけて,主に枯れ木,花,アブラムシの落とした甘露に飛来したところを採集された.
 ●存続を脅かす要因
最近の調査では,以前の生息地からの記録はなく,わずかに敦賀市天筒山が加わったに過ぎない.少なくなった原因の一つにスギの植林のため雑木林が伐採され,営巣場所となる立枯れ木の減少があげられる.
 ●参考文献
羽田義任.1960 .ニトベギングチを採る.生物研究,4(1):14- 15 .福井生物研究会.
室田忠男.1994 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(15):49- 50 .福井昆虫研究会.
野坂千津子・黒川秀吉.2000 .天筒山で採集した有剣蜂類.福井虫報,(26):37- 46.福井昆虫研究会.
奥野宏.1975 .ニトベギングチバチの観察.蜂友通信,(2):8- 10.日本蜂類研究会.
下山健作.1987 .青森県のニトベギングチ採集・巣の観察.蜂友通信,(27):46- 56.日本蜂類研究会.
常木勝次.1967 .ニトベギングチバチを小池で採集.生物研究,11(3- 4):51 .福井生物研究会.

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