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●種の特性
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竹内吉蔵博士が採集した北朝鮮産の雌の標本に基づいて1957 年に記載された.その後,日本国内で初めて福井県和泉村三面から記録されたが,県外からの記録はまだない非常に珍しいハチである.
体長約6mm ,黒色で脚に黄色部の多いアムールギングチに近似の種である. 9 月から10 月に,アブラムシのついたクルミ林の下草や立ち枯れ木に飛来する.
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●生息状況
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本県では従来,大野市上打波,和泉村角野前坂,三面,米俵など奥越地方の山地から知られていたが,最近福井市足羽山や敦賀市天筒山の低山にも分布していることが分かった.今まで未知の雄も天筒山で数頭採集された.個体数は極めて少ないが,天筒山では確実に生息している.それは国有林でシイをはじめとする照葉樹林が良好に保存されているからであると思われる.
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●存続を脅かす要因
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本種の習性は確かめられていないが,照葉樹林の中の立枯れ木に営巣すると推定されており,そのような森林の改変が本種の存続を脅かす.
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●参考文献
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羽田義任.1988.福井県蜂類分布資料.福井虫報,(3):40.福井昆虫研究会.
羽田義任.1989.福井県蜂類分布資料.福井虫報,(5):18- 21.福井昆虫研究会. 羽田義任.1995.福井県蜂類分布資料.福井虫報,(16):31- 36.福井昆虫研究会. 室田忠男.1989.タケウチギングチを採る.あられがこ,(27):8.福井生物研究会. 野坂千津子.2001.足羽山の有剣蜂類追加.福井虫報,(29):37- 38.福井昆虫研究会. 野坂千津子・黒川秀吉.2000 .2000 年に天筒山で採集した有剣蜂類.福井虫報,(28):13- 17 .福井昆虫研究会. Tsuneki,K .1957 .Verzeichnis dervon Herrn Dr .K .Takeuchi in Korea gesammelten Crabroninen . AKITU,(6):59- 62 .京都昆虫同好会.
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