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●種の特性
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1992 年に新種記載された体長約6mm のヒメギングチバチである.蜂の調査では全国トップクラスの本県でもたった2 個体の雌しか採集されていないという希種である.本種は,南川支流に位置する虫谷の林道周辺に生息している.スギの植林が進んでいるにもかかわらず,落葉広葉樹が現存している.つまり,スギの植林には不適当な場所であることが幸いしている.
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●生息状況
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県外ではまだ発見されていない.
県内の生息地は名田庄村虫谷だけで,8 月中旬〜下旬にかけて記録されている.2001 年は5 月〜9 月下旬までに15 回採集調査を実施したが採集することができなかった. 奥越地方に比べ,昆虫相が貧弱と思われる嶺南地方から本種が発見されたことは特筆すべきことである.営巣習性も全く未知でどのような環境が本種に適しているか不明である.
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●存続を脅かす要因
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ヒメギングチバチ類の多くは広葉樹の枯木などに営巣するので,そのような生息環境の改変が存続を脅かすこととなると考えられる.
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●参考文献
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室田忠男.1994 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(15):49- 50 .福井昆虫研究会.
Tsuneki,K .1992 .Two nwe species of Crossocerus found in Japan .SPJHA,(38):50- 53 .日本蜂類研究会.
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