福井県レッドデータブック データベース

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昆虫類
 

 タイセツギングチ

 

 ハチ目ギングチバチ科

 Crossocerus pusillus Lepeletier et Brulle

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧T類
 環境省カテゴリー  ―
 
 
 
  
 ●種の特性
本種は欧州北部,朝鮮半島,千島及び日本に分布する体長約6mm の全身黒色の北方系のハチである.
赤土の露出したU 字型の登山道の斜面に営巣する.そこはブナ,ミズナラをはじめとする落葉広葉樹林の木漏れ日がさしこみ,乾き過ぎも湿り過ぎもしない,程良い場所である.
 ●生息状況
北海道と,宮城,栃木,群馬,埼玉,新潟,長野,富山,石川,福井県など本州の中部地方以北の山地に生息する.福井県はわが国における分布の南限である.
県内では,大野市の標高1,450m の六本桧と勝山市の標高1,350m から1,500m の小原峠において,8 月から10 月にかけて登山道に営巣している.
 ●存続を脅かす要因
山地の中で小さなハチが営巣できる裸地はごく限られている.これまで登山道の拡張工事によって営巣地が消失した事例が確認されている.営巣地周辺のブナ,ミズナラ林の改変や,地表環境を大きく改変するような方法による歩道整備が存続を脅かす要因となる.
 ●参考文献
羽田義任.1993 .タイセツギングチ福井県に分布する.福井虫報,(12):45 .福井昆虫研究会.
室田忠男.1998 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(23):9- 16 .福井昆虫研究会.
野坂千津子.1996 .福井県蜂類分布資料.福井虫報,(19):39- 40 .福井昆虫研究会.

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