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●種の特性
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本種は1976 年にメリスオ博士がPassaloecus iwatai の学名で記載したが,1982 年に常木勝次博士によりPassaloecus koreanus のシノニムとされた.
体長5 〜6mm の小型の狩り蜂で,近似種のワモンイスカバチとは,後頭部の形態や雄の触角の黒色斑紋の違いで区別される. 朽ち木の虫孔や細い竹筒に巣を作り,1 つの育室に30 〜40 匹のアリマキを狩り入れて,針葉樹の樹脂で部屋を仕切る.
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●生息状況
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本州(埼玉,東京,静岡,石川,福井,兵庫県)と朝鮮半島に分布する.
本県では福井市町屋町,開発町,敦賀市常宮から記録され,いずれも木造家屋の柱や根太の虫孔に営巣していた.古い木造の神社,寺院に生息することが推測される.
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●存続を脅かす要因
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木造家屋の減少が第一の要因である.最近古くなった神社仏閣がコンクリート製に建て変えられ,住家性蜂類が生息地を失いつつある.
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●参考文献
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羽田義任.1993 .ミシマイスカバチ福井・石川県に分布する.福井虫報,(13 ):60 .福井昆虫研究会.
岩田久二雄.1979 .パッサレクスの樹脂利用.昆虫を見つめて五十年(V),84- 123 .朝日新聞社. Merisuo,A.K.1976.Passaloecus iwatai sp.n.(Hym.,Sphecoidea).Ann.Ent.Fenn.,42 (1):21- 26. Tsuneki,K.1982.List of the species of the Sphecidae known from the Korean peninsula.SPJHA,(20):14- 19.日本蜂類研究会. Tsuneki,K.1990.A new species of Passaloecus from Japan,with its biology (Hym.,Pemphredoninae).SPJHA,(36):102- 105.日本蜂類研究会.
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