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●種の特性
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フタオビドロバチ属には,日本からオオフタオビドロバチとハグロフタオビドロバチの2 種が知られている.
本種は,体長16mm 前後,翅は大変黒ずんでおり,頭盾上の黄紋と前胸背板上の2 小黄紋のほかは,頭胸部はほとんど黒色である.胸部後半部は広く窪み,腹部に2 本の橙黄色をした帯状紋を有する.
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●生息状況
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1981 年に鹿児島産の標本により記載され,その後栃木,茨城,東京,新潟,福井,広島,山口,香川,高知,愛媛,福岡,宮崎県と対馬から記録されている.
本県では大野市,今庄町から記録されている. 福井県で本種が採集されたのは,大野市真名川の河原と今庄町日野川の川沿いで,竹筒やコウチュウ類が作った朽ち木の坑道内に,ガ類の幼虫を蓄えて巣を作っていると思われる.
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●存続を脅かす要因
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河川域の改修や里山近辺の土地造成などにより存続が脅かされる.
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●参考文献
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田埜正.1983 .蜂の新分布資料.蜂友通信,(16 ):24 .日本蜂類研究会.
Yamane,Sk.1990.A revision of Japanese Eumenidae.Insecta Matsumurana,n.s.43 :1- 189 .
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