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●種の特性
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キタドロバチ属は,日本からアジアキタドロバチとアトボシキタドロバチの2 種が知られる小型のドロバチである.
体長9.0 〜10.5mm ,全身黒色で顔面に小さな黄斑を持ち,腹部第1 節と第2 節の後縁にそれぞれ1 本の黄色の細い横帯斑紋がある.
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●生息状況
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本種は,1953 年に現在の中国東北部産の標本により記載され,朝鮮にも分布する.
日本では,埼玉,福井,滋賀,兵庫,島根県から記録されている. 県内では,名田庄村の頭巾山及び敦賀市より記録されている. 本種の生態については,細い竹筒に巣を作ることしか分かっていないが,母蜂は幼虫の餌として小型のガ類の幼虫を狩り集めると思われる.
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●存続を脅かす要因
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樹木の伐採が進み森林環境が急激に変化すると餌となる小型のガ類の個体数は減り,ドロバチ類も生息できなくなるおそれがある.
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●参考文献
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田埜正.1991 .福井県昆虫目録(膜翅目)の訂正と追加.福井虫報,(8 ):46 .福井昆虫研究会.
Yamane,Sk.&Tano,T.1987.Studies on Japanese Eumenidae.Trans.Shikoku Ent.Soc.,18 (3- 4):327- 345 . Yamane,Sk.1990.A revision of Japanese Eumenidae.Insecta Matsumurana,n.s.43 :1- 189 .
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