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●種の特性
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体長約30mm の中型のゲンゴロウで,体の表面は光沢のある黒褐色,側縁に黄色帯を有する.溜め池のような止水域や流れの緩やかな水路に生息し,溜め池では時に多数の個体が発生する.また,灯火に飛来することがある.
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●生息状況
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広域分布種でアジア,オ−ストラリア,アフリカの熱帯〜温帯に7 亜種が分布する.国内では本州,四国,九州,小笠原諸島,南西諸島に分布し,八重山諸島など南西諸島では比較的普通に見られる.四国や九州では現在でも局所的ではあるが安定した生息地がある.県内では過去に小浜市遠敷からの記録があるほか,1993 年に敦賀市樫曲の中池見で1 雌が採集されている.中池見ではその後も昆虫類の調査が継続されているが再確認されておらず,中池見の記録は偶産の可能性が高い.
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●存続を脅かす要因
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県内からの記録がきわめて少ないのは,調査不足のほか本県が分布端に位置することが第一の要因と考えられる.
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●参考文献
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森正人・北山昭.1993 .図説日本のゲンゴロウ.文一総合出版.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
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