福井県レッドデータブック データベース

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鳥 類
 

 クマタカ

 

 タカ目タカ科

 Spizaetus nipalensis Hodgson

 福井県カテゴリー  県域絶滅危惧T類
 環境省カテゴリー  絶滅危惧TB類
 
 
 
  
 ●種の特性
全長72 〜80cm ,翼開長140 〜165cm の大型のワシタカ類で,山地帯の急な地形の森林に,留鳥として生息し繁殖する.
餌はノウサギ,キジ類,ヘビ類が多いが,中小型の哺乳類や鳥類など,多様な餌を捕食する.林内及び林縁部において待ち伏せ型の狩猟を行うが,観察がしにくいため不明な点も多い.
 ●生息状況
スリランカ,インド南部,ヒマラヤ地方,中国南部,インドシナ,台湾,朝鮮半島などに分布する.日本では北海道,本州,四国,九州と朝鮮半島に留鳥として分布し繁殖している.
本県では,里山から山地にかけて広く分布し,他のワシタカ類に比べて,生息,繁殖記録も多い.行動圏は,嶺南地方の調査では1,300 〜2,000ha に達した.
近年,繁殖成功率の著しい低下が各地で報告されているが,その原因は推測の域を出ず,早急に調査する必要性がある.
 ●存続を脅かす要因
本種が営巣場所として好む林は,急斜面にある胸高直径60cm 以上の大径木の林であり,百年単位の長い期間によって成立した林であることが多い.このような森林の伐採による営巣環境の消失や悪化が考えられる.
過去に本県でも,飼育や剥製目的の密猟や銃撃事例があり,違法な狩猟圧が挙げられる.
 ●参考文献
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.452pp .福井県.
環境庁自然保護局野生生物課.1996 .猛禽類保護の進め方−特にイヌワシ,クマタカ,オオタカについて−.106pp .財団法人 日本鳥類保護連盟,東京.
久保上宗次郎.1986 .福井県若狭地方に生息するクマタカの営巣状況.福井市立郷土自然科学博物館研究報告33 :57- 64 .
高野伸二.1990 .フィールドガイド 日本の野鳥.342pp .財団法人日本野鳥の会,東京.
中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑〈陸鳥編〉.301pp .保育社,大阪.
日本鳥類目録編集委員会(編集).2000 .日本鳥類目録改訂第6 版.345pp .日本鳥学会,帯広.

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