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2)進行役(ファシリテーター)の心得
 ここでは、最もなじみがないと思われる進行役(ファシリテーター)についてさらに詳しく紹介します。
注:ファシリテーター(facilitator)は、直訳すると、進行役、司会者の意味。
 進行役(ファシリテーター)とは参加者の心の動きや状況をみながら、実際にプログラムを進行していく役割です。進行役(ファシリテーター)がいることにより、体験したことの意味が深められ、プログラムの意図や自分とのつながりがより鮮明になります。
 人の行動が変わるための力は、外にあるのではなく、その人の内側にあります。進行役(ファシリテーター)はその力を引き出す役割があります。

[1]進行役(ファシリテーター)の基本姿勢
 参加者の主体性を尊重し、操作的な言動はつつしむ
 どのような過程を経て現在の討議があるのか、そのプロセス全体を見て、理解しようと努める。
 開放的な雰囲気づくりに心がける。
 問題の解答を教えるのではなく、解決は参加者自身にまかせる。
 状況をみながら、適切な「手助け」を行う。

[2]手助けする
 例えば、何らかのワークショップを実施しているとします。そのとき、実施のルールが守られていなかったり、グループでの課題達成が難しいと判断されたり、ふりかえり、わかちあいが進んでいない場合、手助けするのが促進者の役割です。
 このとき、気をつけなくてはならないことは、あくまでも参加者の立場を優先し、自分の意図を決して押しつけないことです。必要に応じて、迷ったときの道筋をさりげなく示すことがポイントです。

例:議論が袋小路に入ってしまったときの言葉
「なぜ、こう思ったのですか?」
「この意見についてどこに問題を感じますか?」
「今のこの状態のどこに疑問を感じますか?」
「こう解釈してはいかがでしょうか?」

[3]ハプニングへの心構え
 時には全く予想外のハプニングが起こる可能性もあります。特に環境学習の場合、参加者が主体ですので、予想外の展開は当たり前と心得た方が良いでしょう。
 ハプニングが起こった時には、これまでの「過程」を思い起こし、問題への道筋を参加者自身がたどれるような言葉をかけます。参加者自身が問題点を確認できたあとは、解決に至るプロセスを見守って下さい。
 大切なことは問題点を「発見」してもらい、「気づく」ことです。

 環境学習の場がスムーズに流れるよう手助けするということは、自分自身をふりかえることです。他者をいかに受容できるかは、自分自身の度量を計るものです。立場に縛られることなく、いいと思ったものは取り入れ、指摘されたことは素直に見つめ、必要を感じたら改めていける柔軟な姿勢が求められます。


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