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3)インタープリテーションとは
 次にインタープリテーションについて、簡単に解説します。インタープリテーション(interpretation)というこの聞き慣れない言葉は、直訳すると、通訳という意味です。環境学習の場では、インタープリターを自然の解説者と意味づけています。

[1]インタープリテーションとインタープリター
インタープリテーション
 自然・文化・歴史(遺産)を分かり易く人々に伝えること。自然についての知識そのものを伝えるだけではなく、その裏側にある「メッセージ」を伝える行為。あるいは、その技能のこと。

インタープリター
 インタープリテーションを実施する人。アメリカの国立公園のレンジャーには、インタープリターという職名を持つ人たちがいます。インタープリテーションを実施する人を広くこう呼びます。

[2]インタープリテーションの6つの原則
 インタープリテーションの技術と知識の教育・普及に20年間を費やしたアメリカのフリーマン・チルデンは、インタープリテーションの6つの原則を次のように唱えています。

 「インタープリテーション6つの原則」

1.インタープリテーションは、参加者の個性や経験と関連づけて行う必要があります。
2.インタープリテーションは、単に知識や情報を伝達することでは
ありません。
 インタープリテーションは、啓発です。知識や情報の伝達が基礎ですが、啓発と伝達は同じものではありません。ただし、知識や情報の伝達を伴わないインタープリテーションはありえません。
3.インタープリテーションは、素材が、科学、歴史、建築、その他何の分野であれ、いろいろな技能を組み合わせた総合技能です。技能であるため、人に教えることができます。
4.インタープリテーションの主な目的は、教えることではなく、興味を刺激し、啓発することです。
5.インタープリテーションは、事物事象の一部ではなく、全体像を見せるようにするべきものです。相手の一部だけでなく、全人格に訴えるようにしなければなりません。
6.12歳くらいまでの子どもに対するインタープリテーションは、大人を対象にしたものを薄めて易しくするのではなく、根本的に異なったアプローチをするべきです。大きな効果をあげるためには、別のプログラムが必要です。

 インタープリテーションについて、さらに詳しく知りたい方は、次の本をお薦めします。インタープリテーションについては、下記の書籍より引用させていただきました。

インタープリテーション入門 自然解説技術ハンドブック
著者:キャサリーン・レニエ/マイケル・グロス/ロン・ジーマン
監訳・解説 日本環境教育フォーラム
発行:小学館 1994年 1,600円


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