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(2)成長過程に応じた学習領域
 環境教育を実施する際には、常に対象のことを配慮しなければなりません。小さな子供たちに、いきなり難しい環境問題を語ってもそれには無理が生じます。また、ある程度知識のある大人を対象に単に自然の中での野外体験ばかりを実施しても、相手にとっては、何か物足りないものがあるかもしれません。大切なことは、対象に応じた活動の展開です。
 下の図には、学習者の発達段階における環境教育のあり方を分かり易く示しています。

学習者の発達段階の図

生涯学習と環境学習(阿部1993)
[1]幼児期
 幼児期は自然(=自然に対する教育)の中で感性を養うことと、大人(親)の愛情につつまれ、子供同士もまれて育つこと(=人間に対する教育)が環境教育の主な活動です。それが豊かな「感性」と人間愛や信頼感を育てることにつながります。
[2]学齢期
 学齢期は学校などで自然のしくみや環境問題(=自然)について、また人間自身や人間をとりまく文化・社会問題(=人間)についての知識を学ぶことが、主な環境教育の活動です。
[3]成人期
 高学年(さらには成人期)になるに従い、環境(=自然)を守り、環境問題や人間をとりまく諸問題(=人間)を解決するための行動をとることが環境教育の中心になります。(阿部治1992)

 みなさんも環境学習のプログラムを組み立てる際には、成長過程に配慮して、プログラムを組み立てるとよいでしょう。


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