第2章 福井県の景観資源
1 自然景観
- 地形等 嶺北の隆起地形と嶺南の沈降地形
- 本県は、県土全体が美しく豊かな自然に恵まれ、「越山若水」として広く県民に親しまれています。
- 地形:嶺北地方は、造山造陸運動によって隆起性の地形が形成されており、嶺南地方は若狭湾の陥没によって沈降性の地形を形成しています。これらの地形特性は、小・中学校や高校の校歌に取り入れられており、県民の感性や意識に深く反映され、心象景観として親しまれています。
- 河川:嶺北地方は、その大半が九頭竜川の流域となっており、山岳地における急流の山水景観や平野・盆地部における田園景観など、変化に富んだ景観がみられます。嶺南地方では、各河川が単独に水系をなし、河川の流路延長も短いため、河川と海が一体となった景観がみられます。
- 海岸:嶺北地方の海岸部は、海蝕崖や奇岩などがみられる海岸となっており、嶺南地方では起伏の多いリアス式海岸が形成されています。さらに、嶺北・嶺南を通して自然海岸の割合が高く、優れた海岸景観が広く分布し、その大半が国定公園に指定されています。
- 気候 四季折々の景観が楽しめる県土
- 本県は、日本海に面する北陸の西端に位置し、大きな気候区分では冬期に積雪の多い日本海式気候に属しており、四季折々に自然景観に変化をもたらすとともに、建築物の形態や産業活動、および県民のレジャー活動など様々な分野に影響を与えています。
- また、県民と雪との関わりは非常に深く、生活の一部となっている雪囲いや雪つり、あるいは山々の雪化粧や田園一面の雪景色などは、静閑とした雪国特有の景観をかもし出しています。
- 植生 北方系と南方系の植物から構成される県土の緑
- 本県は、白山山系から北方系の植物が入り、また南側から南方系の暖地性植物が入り込むなど、日本海地域における自然植生の移行帯として、極めて重要な地理的位置にあります。植生においては、内陸山地部に分布する温帯性落葉広葉樹林や海岸沿いに分布する暖帯性常緑広葉樹林などが特徴ある景観を形成しており、特にブナの原生林やヤブニッケイの林などは、貴重な自然景観となっています。
表2−1名勝・天然記念物一覧(国指定)
番号 |
名称 |
番号 |
名称 |
1 |
東尋坊 |
(名・天) |
7 |
若狭蘇洞門 |
(名) |
2 |
本願清水イトヨ生息地 |
(天) |
8 |
小浜神社の九本ダモ |
(天) |
3 |
専福寺の大ケヤキ |
(天) |
9 |
万徳寺のヤマモミジ |
(天) |
4 |
気比の松原 |
(名) |
10 |
蒼島暖地性植物群落 |
(天) |
5 |
常神のソテツ |
(天) |
11 |
杉森神社のオハツキイチョウ |
(天) |
6 |
三方五湖 |
(名) |
12 |
アラレガコ生息地 |
(天) |
(名)名勝
(天)天然記念物