福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 高浜町和田の衝上断層
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
高浜町:安土[和田東方](1130)
選定理由 特異な地質構造が見られる地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  大飯町大島半島の西半分には蛇紋岩化した超塩基性岩類が広く分布し,半島の付け根にあたる南側の“縁”に沿って,超丹波帯と名付けられた超塩基性岩類とは異なる地質帯がわずかに分布する.高浜町和田東方(安土)では,超塩基性岩が,超丹波帯に属する大飯層の堆積岩上に衝上する低角逆断層(=衝上断層)が存在する.断層面はN60 ゜W ,60 ゜N 前後で,上盤は礫岩状または片状に破砕された含斜方輝石カンラン岩起源の蛇紋岩,下盤は大飯層の千枚岩質黒色粘板岩である.ここでの粘板岩の層理面はN60 ゜E ,60 ゜N 前後である.衝上断層とは上盤側の岩体が下盤側の岩体に低角度で乗り上げた断層であり,大きな水平圧縮力が働いたことを物語るものである.和田東方で見られる衝上断層のように,異なった地質帯の接点が露出している場所は珍しく,日本列島の地史を明らかにする点で,この露頭はたいへん貴重である.
保護の現状
 と留意点
 この露頭は上盤側が蛇紋岩であるため,自然崩壊がやや進んでいる.近辺の土地が工場用地などに利用されることがあった場合にも,露頭の観察が可能になるような措置が望まれる.


 (図上のNO.189ポイント)


(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)