福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
[先頭ページ] [前のページ] [次のページ]
名   称 鵜の瀬の河床景観・名水
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
小浜市:高野,鵜の瀬(1035,1036)
選定理由 地形形成史から見て典型的な地形
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  根来(ねごり)川の鵜の瀬の淵で奈良東大寺二月堂への送水神事が行われることは,若狭地方唯一の全日本的な歴史上の行事であり,1675 年以来今日まで続いている.上流に,上根来・下根来と中ノ畑の集落を有し,遠敷谷と県境の百里ケ岳や木地山峠などの山稜を水源としている河川水であり,上流に集落や耕地が少ないことから河川は汚染されず,清水として流れ,今では,名水若返りの調薬として多くの人に飲用されている.鵜の瀬の淵は,人為的な改造がされているものの,淵に張り出した層状チャ−トが差別侵食により河床に突出して,あちこちに淵を形成している.周囲の山地は,中・古生層の頁岩,砂岩,および両者の互層,さらにチャ−ト,レンズ状石灰岩からなる.鵜の瀬の北側山地からの崖錘礫からFusulina sp .Schwagerina sp .等の紡錘虫化石を含む石灰礫岩が見つかっている.これらの化石帯は,古生代二畳紀を指示するものである.また,鵜の瀬の周辺の中・古生層の走向・傾斜はNE- SW ,70 ゜NW で,しばしば小規模に安山岩が貫入している.
保護の現状
 と留意点
 奈良のお水送りの歴史的な神事が行われる地点で,現在では県内外に知られた地域である.遠敷川流域の現状と今後の対策が,この地を守ることになると思われる.小浜市も整備を進めているが,自然を損なうことがないよう十分な配慮が望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)