福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 河野村河内南方のチャート礫岩
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
南越前町(旧河野村):河内(759)
選定理由 希少な鉱物・岩石を産出する地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  南条山地の中生層の大半を構成する地層は砂岩である.砂岩を構成している砕屑物は石英,長石等であり,比較的多いマトリックスの中に保持されている.河野村南端には,岩石を構成する砕屑物が,最大径20cm におよぶチャート礫であり,また,マトリックスが非常に少ない地層も露出する.この礫岩中のチャート礫には三畳紀放散虫が含まれるので,原岩のチャート層の破壊が起こったのはジュラ紀ないし白亜紀前期と思われる.化石年代,チャートの岩石学的特徴などは,南条山地のチャートと類似している.なぜチャート層の破壊が起こったのか,どのようにしてチャートの礫だけが集合したのか,不明である.この種の岩石は美濃帯では非常に珍しく,地質学的に重要である.すなわち,同類の礫岩が美濃帯のほんの数カ所から報告されているに過ぎず,それらは古生代から始まる美濃帯における堆積過程の最終段階を示す証拠として重要視されている.
保護の現状
 と留意点
 数年前に敷設された林道沿いにある露頭であるが,今では林道も車両通行ができないほど荒れ果てている.ゴルフ場開発が検討されたことがあるが,現在は放置されている.今後大規模な開発により,失われることのないよう配慮が望まれる.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)