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名 称 |
今庄町藤倉山の砂岩層における層状珪化 | ||
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学 名 |
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分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
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位 置 (2kmメッシュ番号) |
南越前町(旧今庄町):藤倉山(642) | ||
選定理由 |
希少な鉱物・岩石を産出する地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
本チャートは,中生代の砕屑岩類を置換した二次的チャートであり,一般的にいわれている遠洋性の層状チャートとは,明らかに起源が異なる.このような二次的層状チャートの報告は本邦では珍しい.このチャート層は,タービダイト性の砂岩・頁岩の互層中に挟まれて産出する.チャート層は黒色で,全体的にゆるく褶曲しており,葉理などの堆積構造が観察できる.顕微鏡観察によれば,このチャートには頁岩や砂岩の組織が残っており,頁岩や砂岩が珪化したものであることがわかる.また,電子顕微鏡観察によれば多数の亀裂や空隙が認められ,この空隙を利用して溶液や物質が移動した可能性がある.黒色チャート層が周囲の砂岩層や頁岩層と同じように褶曲していることや,黒色チャート層の見かけ上位の砂岩層に頁岩起源と思われる黒いチャートの破片が多数混じっていることから,この珪化は,砕屑物が堆積後直ちに急激に進行し,かつ完全に珪化する前に変形したと推定できる.南条山地では黒色で砂質な“チャート”のオリストリス(異地性岩塊)がしばしば見られるが,この“チャート”の特徴は藤倉山の二次的チャートと共通する.本チャート層(二次的チャート)は層状チャートの形成過程や,南条山地に分布する黒色チャートのオリストリスの起源を考察するうえで貴重な露頭である. | ||
保護の現状 と留意点 |
今庄町湯尾から藤倉山(644m )の尾根を越え,河野村菅谷に向かう林道沿いに現れた露頭である.大きな人為的改変はないと思われるが,吹き付けなど露頭を覆う工事は避けることが望まれる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |