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名 称 |
湯尾ジュラ紀放散虫化石 | ||
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学 名 |
− | ||
分 類 1 |
地形地質 | ||
分 類 2 |
− | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
南越前町(旧今庄町):湯尾谷(642) | ||
選定理由 |
古生物学的に重要な地点 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
ここから見い出された放散虫化石群集は,南条山地の中生代ジュラ紀の放散虫化石群集の一つ(「今庄群集」)として初めて報告されたものである.放散虫化石を含む岩石は灰青緑色を呈する層状珪質頁岩である.産出する放散虫化石は,Canoptum,Pantanellium, Trillus, Tricolocapsa などの属であり,指示する地質時代は,中生代ジュラ紀前期末(今から約1.5 億年前)である.南条山地の地質は,岩相とそこに含まれる放散虫化石群集により,大きく3 つに分けることができる.例えば,三畳紀の厚層チャートとジュラ紀前期の頁岩・砂岩からなり,「今庄群集」を産する岩相を今庄相と呼ぶ.湯尾から発見された「今庄群集」は,今庄相を特徴付ける放散虫群として,南条山地の地質解明の先駆けとなり,この群集発見以降,同山地の地質の調査・研究は飛躍的に進んだ.問題の露頭は湯尾の,高速道路沿いの小さな沢の中央部にある.赤色(一部褐色)の層状珪質頁岩と青灰色チャートが分布するが,露頭では,その関係は不明である.チャートには,三畳紀放散虫が含まれている. | ||
保護の現状 と留意点 |
露頭は小さい沢沿いにあり,規模も小さく,露出も悪い.そのために周囲の地層との関係は,ここでは不明である.大きな人為的改変をしなければ,保存可能であると思われる.
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(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |