福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 池田町田代南の珪質頁岩と緑色岩類
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
池田町:田代(342)
選定理由 その他地質学的に貴重な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  従来,南条山地春日野相に産出する緑色岩類は,しばしば石灰岩体と混在して産出することから,石灰岩体の年代と同じ古生代起源のものであると考えられていた.しかし,服部・吉村(1979 )は,この緑色岩類を散在型緑色岩類と連続型緑色岩類に分類し,さらに,連続型緑色岩類は中生代の可能性が強いことを指摘した.冠山北の田代地区に厚い珪質頁岩が産出する.この珪質頁岩を構成する個々の単層は厚さ5 〜10cm であり,よく成層し,一部チャート化している.この珪質頁岩中に断層面を伴わずに厚さ数m 以上の枕状溶岩層が露出する.枕状溶岩の上面はゆるい曲線を描き,火山礫凝灰岩の薄層により被覆され,さらに珪質頁岩により覆われる.これらのことから,この緑色岩類は珪質頁岩と同年代であり,珪質頁岩層から得られた放散虫化石から,ジュラ紀前中期に対比可能である.この事実は,服部・吉村(1979 )が示唆した中生代緑色岩類の存在を裏付けるものとなり,地質学的に重要なものである.中生代緑色岩類の存在は,春日野相の形成史を考える上で重要な意味を持つ.
保護の現状
 と留意点
 現状の保存状態を維持することが望まれる.


 (図上のNO.61ポイント)


(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)