福井県みどりのデータバンク |
すぐれた自然データベース |
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名 称
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大野市雲川・笹生川沿いの本戸層と巣原層
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学 名
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−
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分 類 1
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地形地質
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分 類 2
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−
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位 置 (2kmメッシュ番号)
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大野市:中島,本戸,巣原橋(216,217,239,240,265,266,289,290)
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選定理由
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希少な鉱物・岩石を産出する地点,その他地質学的に貴重な地点
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区 分
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B(県レベルで重要なもの)
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解 説
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福井県大野市の旧西谷村を中心に分布する本戸層は,本邦では珍しい赤色砂岩相であり,その年代に関して,三畳紀であるという意見と白亜紀であるという意見が対立している.本層は,真名川上流の中島地区を挟んで,雲川と笹生川に沿って分布する.笹生川沿いの本戸層は砂岩と礫岩からなり,希にドロマイト層も挟まれる.手取層群や野尻層群とは断層で接する.本戸層の好露出は笹生川の両岸や細ケ谷に存在する.この地域の本戸層は,手取層群と並行して分布するが,野外での層序学的上下関係は不明であり,また,本戸層からは化石の報告もない.本戸層の年代を決めることは,中部日本の構造発達史の解明に大きく関わる問題であり,今後の研究が待たれる.一方,笹生川と雲川との合流地点である中島から雲川に沿って西へ向かうと,河床に赤い地層が現れる.この地層も本戸層である.雲川沿いの本戸層は砂岩と頁岩からなり,その好露出は河川の両岸にある.雲川河床や両岸には,本戸層以外に古生代の石灰岩や頁岩や巣原層の礫岩の好露出が分布している.本戸層分布地を越えてさらに西に向かうと,やがて巣原橋に到達する.この橋のたもとに巣原層の模式地がある.巣原層とは白亜紀中期から末期にかけての陸成粗粒堆積物であり,広域的には,濃飛流紋岩(面谷流紋岩)の直下に分布している足羽累層に含まれる(一部では濃飛流紋岩と指交関係にある).巣原地域では,巣原橋の南側の露頭を模式地としており,そこには流紋岩質砂岩(流紋岩から排出された砂粒などでできた砂岩)や黒色頁岩が分布している.特にセコイアの化石が発見されていることで名高く,地質学的に重要である.
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保護の現状 と留意点
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国道と県道が通っているので,道路改修が行われているが,露頭をなくさないような配慮が必要である.
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