福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 勝山市牛ヶ谷の植物化石
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
勝山市:牛ヶ谷(202)
選定理由 古生物学的に重要な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  勝山市牛ケ谷は滝波川流域に位置する.この付近には,手取層群中の赤岩亜層群が分布する.赤岩亜層群は,白亜紀の地層であり,この下位にある石徹白亜層群とは非整合で接する.また,下部から,大倉礫岩・赤岩砂岩・北谷互層・大道谷互層に区分される.牛ケ谷の北方には赤岩亜層群を特徴つける赤岩砂岩が広く分布する.赤岩砂岩は,滝波川流域で,約900m の層厚であり,かなり厚い.この層は,岩相により下部層と上部層に細分される.このうち下部層は礫岩・砂岩・頁岩の互層からなる.上部層は,厚い粗粒砂岩が主体となっている.また,牛ケ谷周辺から南方には,新生代第四紀の洪積層や新生代新第三紀鮮新世の地層が分布している.この新第三紀鮮新世の地層は,凝灰岩を主体としている.この地層からは,ブナ,カエデなどの植物化石が多産している.また,淡水魚(コイ科),昆虫の化石なども見つかっている.この地層は,古くから植物化石の産地として知られ,化石は約14 科19 属31 種からなり,寒温帯の落葉樹林相を示している.
保護の現状
 と留意点
 牛ケ谷には貴重な植物化石が多産し,自然特性上重要な地点であると考えられる.今後,この辺りの改変には,より慎重に対応する必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)