福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 経ヶ岳(旧火口)
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
勝山市:経ヶ岳(114,115,135,136,157,158)
選定理由 その他地質学的に貴重な地点,火山活動に関する地形
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  奥越を代表する山岳であり,標高1,600m を超え,県立奥越自然公園の中核をなす.今からおよそ100 万年前に溶岩,火砕流,火山灰などが繰り返し噴出し,現在の経ケ岳より数倍大きいコニーデ型火山が出現した.その後の侵食作用により,現在の経ケ岳が形成された.県内でただ1 つ火口原を残した火山地形である.経ケ岳の崩壊に伴う泥流が六呂師から南に向かって流れたため,六呂師高原から南に向かう緩斜面が形成され,多数の伏石(ぶくいし,移動岩塊)が残された(23 ).この山頂部には,爆裂火口壁が明瞭に残っており,火口底は湿原化し,「池の大沢」とよばれている.弁ケ滝は経ケ岳の中腹から流れ落ちる小規模な滝である.経ケ岳の土台をなす安山岩質溶岩や角礫岩,凝灰岩の差別侵食によりできた急崖から流れ落ちている.滝壁では火山活動によって造られた岩石の状態が観察できる.
保護の現状
 と留意点
 白山国立公園及び,奥越高原県立自然公園に指定されている.この地域は経ケ岳が火山であったことを示す唯一の証拠になりうると同時に,貴重な湿原の分布地の1 つとして保全すべきである.弁ケ滝へのアクセス道路はすでに整備されている.経ケ岳の西には芳野ケ原平坦面が広がっている.これも保護すべきである.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)