福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
地形地質
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名   称 芦原町弁天岬の水中火砕岩と貝化石
学   名
分 類 1 地形地質
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧芦原町):浜坂[弁天岬](538)
選定理由 古生物学的に重要な地点
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  弁天岬地域には新第三紀中新世の弁天岬層(尼御前岬相当層)と下位の加佐ノ岬層の上部が分布する.弁天岬層の分布は大変狭小であり,弁天岬周辺に限られているが,三国町の米ケ脇累層(14 )とほぼ同時期の地層であり,大体1,400 〜1,300 万年前の地層と考えられる.主要な岩石は安山岩質の水中土石流堆積物と判断される“集塊岩”や凝灰角礫岩である.弁天岬では弁天岬層が下位の加佐ノ岬層を削り込んでいるが,これは水中火砕岩が水中に流れ下るときに下位層を削り込んだものと考えられる.化石は下位の加佐ノ岬層からも弁天岬層の水中火砕岩中からも産出しその化石組成はよく似ている.このことから,火砕岩が水中へ流れ込んだ時に,当時生息していた貝類を取り込んで堆積したものと考えられる.これらの貝化石の中で多く産するのは,キサゴの仲間(Protorotella depressa )やウバガイの仲間(Spisula sp.)である.水中火砕岩と判断される岩相中からも保存のよい化石が産出することは大変珍しく特筆される.また,弁天岬層に貫入する砕屑性岩脈の素晴らしい露頭がある.
保護の現状
 と留意点
 越前加賀海岸国定公園内にあるので,人為的な地形改変などは強く規制されている.


 (図上のNO.6ポイント)


(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)