福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
鳥獣の重要な生息地
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名   称 日野川
学   名
分 類 1 鳥獣の重要な生息地
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
福井市武生市鯖江市:(623,624,625,626,627,632,633,661,662,663,664,665,666,667,668,669)
選定理由 渡り鳥の渡来地または中継地、猛禽類の多様な地域
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  南条郡今庄町を源とする本川は,福井市で足羽川と合流し九頭竜川に至る河川で,ほぼ南北に流れている.ここでは,冬期のガンカモ類を初め,サギ類の集団営巣地(コロニー)など,年間を通して多くの鳥類が観察されている.タカ目では,ミサゴ,トビ,オオタカ,ハイタカ,ノスリ,チュウヒ,ハヤブサ,チョウゲンボウが確認されている.特にミサゴについては,中流域から下流域にかけて3 個体が生息しているものと思われる.また,オオタカについては,ほぼ毎年,冬期間に幼鳥が確認されていることから,近隣の山間部で繁殖している可能性がある.武生市から鯖江市の区間では市街地でありながら,また,河川の幅が狭い割に毎年,多くのカモ類が渡来している.1987 年から1998 年の「ガンカモ科鳥類生息調査」によると,平均で8 種4,104 羽のガンカモ類が記録されており,三方五湖に次いで個体数の多い渡来地となっている.カモ類が多く観察される場所は,以前は武生市が中心であったが,近年はヨシ原が残る鯖江市の方に移る傾向にある.原因としては,武生市内での河川公園などの整備が進み水際のヤナギやヨシが減少したことと,鯖江市内に銃猟禁止区域が増えたことが考えられる.また,1995 年以降はコハクチョウが毎年,記録されていて,現在は,数羽と少数であるが,今後の保護活動で増加することを望みたい.
保護の現状
 と留意点
 現在,本地域のほとんどでは,「鳥獣保護法」により狩猟の一部が規制されている.河川敷および周囲の水田や山林などは,必ずしも自然環境が豊かとは言えないが,ヤナギ群落やヨシ群落など,河川敷内にはまとまった環境も見受けられるため,樹木の伐採や河川敷内の公園などの整備にあたっては,生物に配慮した計画が必要と考えられる.

(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)