福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
鳥  類
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名   称 ブッポウソウ
学   名 Eurystomus orientalis
分 類 1 鳥類
分 類 2 ブッポウソウ目ブッポウソウ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
特定せず
選定理由 保護上重要な種・亜種
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
  • 鳥獣保護法      :非狩猟鳥類
  • レッドリスト(福井県):県域絶滅危惧U類 / レッドリスト(環境省):絶滅危惧U類(VU)
解   説  種としては,ユーラシア大陸東部のウスリーから中国東部,東南アジア,ボルネオ島あたりで繁殖し,中国南部からオーストラリア大陸北東部で越冬する.日本では,本亜種が夏鳥として主に本州以南に渡来し,北日本では少ない.本県では,和泉村や大野市,勝山市の山間部で確認されている.10 年ほど前までは,和泉村九頭竜スキー場の周辺で,樹木やリフト用鉄索に止まっているのがよく観察されたが,近年はパラグライダーを楽しむ人が増えて,ほとんど見られなくなっている.主に平地から山地の常緑樹林または落葉広葉樹林に生息し,中でも枯れた大木のある林でよく見られ,また,山間の集落近くでも観察される.巣は,主にキツツキ類の古巣や樹洞などを利用して,5 〜7 月に繁殖する.木製の電柱,橋げたや護岸用の堰堤なども穴さえあれば巣として利用される.高木の梢付近の枯れ枝や電線に止まって,飛んでくるセミ,トンボやクワガタムシなどの昆虫類を見つけては,フワフワと飛んで捕まえる.
保護の現状
 と留意点
 現在,「鳥獣保護法」により本亜種の捕獲,飼養,譲渡などが規制されている.近年の,リゾートやスキー場の開発およびパラセイリングなどの流行により,生息しにくい環境となっている.樹洞で営巣するため,ブナなどの大木が混じる広い広葉樹林が必要であり,これらの環境の保全が求められる.また,天然の樹洞の代わりとして木製の電柱が使われていたが,コンクリート製のものに変わって営巣場所も減少している.人工的な巣箱の設置も役立つ可能性がある.

(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)

出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行)