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【動物目録の該当ページ】
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名 称 |
コウノトリ | ||
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学 名 |
Ciconia boyciana | ||
分 類 1 |
鳥類 | ||
分 類 2 |
コウノトリ目コウノトリ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
特定せず | ||
選定理由 |
保護上重要な種・亜種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
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解 説 |
以前は,シュバシコウの1 亜種であったが,現在では,独立種とみなされている.種としての個体数は世界で3,000 羽以下と考えられている.繁殖地はシベリア南東部から中国東北部にかけてのひとかたまりの地域に限られ,冬期は長江流域を中心とする中国南東部へ渡る.日本には,ごく少数が,主に冬期に,北海道から南西諸島までの各地に渡来する.江戸時代までは日本各地で繁殖していたようだが,明治時代以降,狩猟や生息地の悪化などによって減少し,1930 年ころに兵庫県但馬地方に生存していた最大100 羽ほどの個体群も1971 年には絶滅してしまった.本県でも,1966 年まで,武生,小浜両市で営巣・繁殖し,最大7 羽が確認されたこともあったが,農薬に含まれていた有機水銀などの影響を受けて野外では絶滅している.繁殖地では湿地に面した大木の樹上に枝を集めて営巣する.浅い水域や湿地でゆっくり歩きながら魚類や両生類などの水生動物を捕るが,乾いた草地でバッタを主とする昆虫類やネズミなどの小哺乳類を捕らえることもある. | ||
保護の現状 と留意点 | 現在,「文化財保護法」,「鳥獣保護法」および「種の保存法」で本種の捕獲,飼養,譲渡などが規制されている.兵庫県但馬地方と本県武生市の,日本で最後の野生個体も捕獲され,兵庫県豊岡市の「コウノトリ保護増殖センター」で増殖が続けられている.現在までに,徐々にではあるがその個体数を増やし,豊岡市では野生に復帰させる取り組みが始まっている.稀に飛来する本県においても,その個体の定着を図るためには,自然の小川や水を張った水田などの採食場所,および営巣場所やねぐらとなるマツ林の確保などの環境保全とともに周辺住民の理解を得る努力も必要となる.また,事前に,その他の種も含めた湿地性の大型の希少鳥類の飛来に対する「対応・保護マニュアル」を作成しておくことも重要である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) 出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行) |