福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
鳥  類
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名   称 サンカノゴイ
学   名 Botaurus stellaris
分 類 1 鳥類
分 類 2 コウノトリ目サギ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
特定せず
選定理由 保護上重要な種・亜種
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
  • 鳥獣保護法      :非狩猟鳥類
  • レッドリスト(福井県):県域絶滅危惧T類 / レッドリスト(環境省):絶滅危惧TB類(EN)
解   説  種としては,アジア,ヨーロッパの温帯域とアフリカ大陸南部に分布し,一部は熱帯域に渡って越冬する.日本では,本亜種が北海道,茨城県,滋賀県などの数カ所で繁殖しており,また,本州以南で越冬するものもいるが,多くはない.本県でも数例の記録しかなく,主に渡りの時期に観察されている.主に平地の湖沼や河川,湿地周辺のヨシ原や背の高い草むらに生息し,あまり開けたところへは出てこない.本県では,河川が近くにある山林や水田に面する平地林で記録されている.ただし,羽色が地味で夜行性であるために発見されにくい.採食はじっと待ち伏せて餌を狙い,鋭い嘴を突き出して,カエル,ネズミ,魚類などを捕る.
保護の現状
 と留意点
 現在,「鳥獣保護法」により本亜種の捕獲,飼養,譲渡などが規制されている.隣県の滋賀県琵琶湖で本亜種の繁殖が確認されているので,本県でのその可能性は否定できない.本亜種の繁殖には広大なヨシ原や湿地を必要とするため,そのような環境の残る北潟湖,三方五湖などの保全を図ることが考えられる.また,減反政策で多く見られるようになった休耕田も,水を張ることによって雑草の繁茂が抑制されることから,本亜種の好む湿地環境を創出することが可能である.

(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)

出典「福井県レッドデータブック(動物編)」(2002年3月 福井県福祉環境部自然保護課発行)