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●種の特性
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平地の水辺のヨシ原など,広大な湿性草原に生息している.植生に隠れ,開けたところには出てこない.基本的に単独で生活しており,年に1 回の繁殖が普通である.魚類,両生類,昆虫を主に食べる.
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●生息状況
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ユーラシアの温帯から冷温帯南部,北アフリカ,南アフリカ(別の亜種)で繁殖し,熱帯に渡って越冬する.
日本では個体数が少なく,従来北海道では夏鳥または留鳥,本州以南では冬鳥とされてきた.その後,本州中部以北でも繁殖が確認され,地域によって生息状況が異なると思われる. 本県では,主に渡りの時期に少数が記録されている. 本県での繁殖の記録はないが,隣県の滋賀県では繁殖が確認されており,本県でもその可能性は否定できない.
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●存続を脅かす要因
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生息地になる広大な湿性草原の激減と農薬,圃場整備,水田の乾田化などにより,餌になる小動物が減少していることが挙げられる.
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●参考文献
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福井県.1998 .福井の鳥とけものたち.67pp .福井県.
福井県.1999 .福井県のすぐれた自然 動物編.24pp .福井県. 日高敏隆.1996 .日本動物大百科 第3 巻 鳥類T.36pp- 38pp .平凡社,東京都. 環境庁.1991 .日本の絶滅のおそれのある野生生物−レッドデータブック−(脊椎動物編).331pp .日本野生生物研究センター.東京都. 中村登流・中村雅彦.1995 .原色日本野鳥生態図鑑(水鳥編).52pp .保育社.大阪府.鳥類
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