福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 敦賀市黒河国有林の湿地とその周辺
学   名
分 類 1 昆虫類
分 類 2
位   置
(2kmメッシュ番号)
敦賀市:(838,839,840,870,871,872)
選定理由 生物学的な多様性(種数)を保持している自然
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  黒河山国有林のある一帯は,敦賀市の南部に位置し,南は滋賀県マキノ町に,西は美浜町に接している.この一帯は,カコウ岩を基盤として成り立ち,黒河川は典型的な扇状地の主流となっている.また,敦賀市の重要な水源でもあり,このあたりの国有林3,342ha は,「水源涵養保安林」として指定されている.黒河川に沿った林道を奥に進んでいくと,途中に野坂岳と三国山の稜線と黒河川にはさまれる形で支流がある.それに沿って進んで行くと,池ヶ原湿原(1.3ha )にたどり着く.昆虫相全般から見ると,種類数,個体数とも多く,高い自然度がうかがわれる.しかし,開発が相当進行しており,特記すべき種の生息は少ないが,若干の分布上注目すべき昆虫の生息が認められる.池ヶ原湿原は,希少種であるハッチョウトンボの数少ない生息地である(福井県自然環境保全調査研究会,1996 ).また野坂岳ではアキタクロナガオサムシやヤコンオサムシなどの生息が確認されている.ケブカオオアリ,ミカドオオアリなどの深山性の種も多く(福井県自然環境保全調査昆虫部会,1985 ),特に蛾類相から見ると,今回の調査事業でも数多くの種が認められている(福井県自然環境保全調査昆虫部会,1998 ).
保護の現状
 と留意点
 黒河川周辺は国有林であるが,林道が奥までのび,開発が進行している.池ヶ原湿原の周辺でも伐採と植林が進み,このままでは湿地が失われる可能性もある.この地域のさらなる調査と,早急な保護対策が必要である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)