福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 ムモンアカシジミ
学   名 Shirozua jonasi
分 類 1 昆虫類
分 類 2 チョウ目シジミチョウ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
和泉村:貝皿(102)
選定理由 希少種
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  チョウ類としては特異な半肉食性の種で,初齢幼虫はアブラムシなどの分泌物を食し,2 齢からはミズナラ(ブナ科)などの葉も食べるが,主にアブラムシやカイガラムシを食して成長する.北海道と本州に分布.国外では中国大陸北部,アムール,ウスリー,朝鮮半島に分布する.県内での記録は少なく,僅かに和泉村貝皿の記録があるのみ.貝皿では成虫のほかミズナラから卵と幼虫も確認されている.年1 回,7 月下旬から発生し成虫は発生木をほとんど離れず,夕刻に発生木やその周辺の梢上をゆるやかに飛翔する.なお,大野市小池での目撃情報もあり,奥越地方からの新たな生息地の発見も予想される.
保護の現状
 と留意点
 和泉村では発見当初から村の「自然風物保護に関する条例」で保護対象(第3 条に基づく「保護物件」)に指定され,採集禁止等の保護策が取られている.しかし,クロシジミと同様に生息地保護のための対策は行われていない.先ず和泉村とその隣接地域での生息状況の調査が望まれる.さらに,和泉村では杉の植林や開発行為によりブナやミズナラの林は減少傾向にあり,ブナ,ミズナラ林の保全に特に留意する必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)