福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 ギフチョウ
学   名 Luehdorfia japonica
分 類 1 昆虫類
分 類 2 チョウ目アゲハチョウ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧金津町):鎌谷(465,466),笹岡(465,504),丸岡町:豊原(433),田屋(469),福井市:浄教寺(479),足羽山(589,590),八幡山(590),文殊山(593),深谷(661,624),本堂町(704),末町(744),越知山(849),渡(662),永平寺町:上浄法寺(347),美山町:芦見皿谷(304),勝山市:杉山(202),杉山口(203),大師山(205),横倉(224),細野(276),大野市:下打波(120),勝原(141),南六呂師(159),飯降山(283),和泉村:朝日前坂前坂谷(63),前坂(63),清水町:上天下(705),鯖江市:金谷町(480),西山公園(631),武生市:萱谷(563),文室(563),奥宮谷日野山(600),安養寺(791),池田町:水海(363),南越前町(旧南条町):杣山(604,605),南越前町(旧今庄町):杜谷(605),若狭町(旧三方町):気山(959),若狭町(旧三方町),美浜町:梅丈岳(987),小浜市:山手(1045),後瀬山(1060),加斗(1098),名田庄村:虫谷杉尾坂(1068),高浜町:青葉山(1167)
選定理由 生態学的に貴重なもの
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  日本特産種で,本州中部以南に分布する.本県において,嶺北地方及び嶺南地方に広く分布し,生息地は,主に標高0m 〜500m 間の落葉広葉樹林である.特に,コナラを主とした二次林では発生個体数が多い.平野部では3 月下旬,奥越の山間部では4 月下旬より成虫が出現し,スミレ,サクラ,ショウジョウバカマ,カタクリなどの花に訪れる.母蝶は,ウマノスズクサ科のカンアオイ,ヒメカンオイの新葉の裏面に十数個の卵をまとめて生む。場所によっては,フタバアオイに産卵する.嶺北から嶺南地方の低山地の個体は,比較的大型で,黒帯の発達が顕著であり,個体数が多い.それに対し,嶺北山間部の個体は比較的小型で,黄帯の発達がよく,生息地域の多くが自然林であり,発生個体数が少なく,生息地域が限定されている.
保護の現状
 と留意点
 本種は,春の女神と称されるくらい人気の高い種であり,毎年,県外より昆虫採集者たちが本県を訪れている.採集による,個体数の減少が心配される種の1 つである.全国的に,生息地は減少傾向にあり,ギフチョウの保護活動は珍しいものではないが,本県では,一見個体数が多いこともあって,そのような活動は足羽山(福井市指定天然記念物)以外では見られない.ただし,嶺北地方山間部の個体群は,生息環境や生態が平野部のそれと異なって,自然林内に生息地域があり,森林の伐採,採集により個体数の激減が懸念される.奥越の一部の地域については保護区の設定等の対策が必要である.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)