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名 称 |
ムロタギングチ | ||
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学 名 |
Crossocerus murotai Tsuneki | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ギングチバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
名田庄村:虫谷(1067) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
シモヤマギングチの生息地1992 年に常木博士によって新種記載された体長約6mm のヒメギングチバチである.蜂の調査では全国1位の本県で採集された種で,現在2 個体の雌が記録されているにすぎない.本種は,南川支流に位置する虫谷の林道周辺に生息している.そこは林道が曲がる角に当たり,いつも風の流れがあり,蜂が飛ぶ道になっている.周囲はスギの植林が進んでいるにもかかわらず,落葉広葉樹が現存している.つまり,スギの植林には不適当な場所であることが幸いしている.県内の分布は名田庄村虫谷だけで,8 月中旬から下旬にかけて記録されている.そこは切り立った崖の上にあり,下を谷川が流れている.従って,常時微風が生じ易い場所である.ここのアブラムシのついた雑木の葉には,美麗希種のコイケアワフキバチ,ウスキギングチやジンムヨコバイカリなどの大変珍しい蜂も飛来する. | ||
保護の現状 と留意点 |
今回の調査で初めて発見された新種である.奥越地方にくらべ,比較的昆虫相が貧弱と思われていた嶺南地方からだけに特筆すべきことである.どのような環境が本種に適しているか不明であるが,生息地近辺の自然をできる限り保存したいものである.なお,ヒメギングチバチ類の多くは広葉樹の枯れ木などに営巣するので,保護のためにはもうこれ以上のスギの植林は増やさず,バランスのとれた自然環境の維持が必要と思われる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |