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名 称 |
シモヤマギングチ | ||
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学 名 |
Ceratocrabro shimoyamai (Tsuneki) | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ギングチバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:鳩ヶ湯(76),中洞(96) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
雌の体長は9.8mm ,頭部が非常に発達した全身黒色の蜂である.雄の複眼の内縁線が強く下方に狭まることから新属が与えられた.青森県で2 個体の雌と福井県で雌雄各1 個体が採集されているだけの日本固有の種である.何れの個体も森林際で採集されており,枯木に営巣している可能性が強い.県内では,大野市上打波の中洞と鳩ヶ湯で,8 月下旬から9 月下旬にかけて記録された.中洞では,アブラムシのついたカラマツの下草で,鳩ヶ湯ではこれもアブラムシのついたクルミ林の林床に生えた小雑木の葉上に飛来したものである.本種は,最初に雌が発見されたが,雄が未発見のため属名があいまいなままに26 年が経過した.そして,ついに野坂氏が鳩ヶ湯で雄を採集し,常木博士が念願の新属を決定した,世界でも注目の蜂であった. | ||
保護の現状 と留意点 |
県内では大野市の上打波の中洞,鳩ヶ湯で記録されたが,前回のみどりのデータバンク調査以来13 年が過ぎているが,その後どこからも採集記録がない.打波川流域も杉の植林が進み,ますます生息環境は悪化しているように思われる.打波川流域には高地性の蜂をはじめとする多種多数の蜂類が分布し,全国規模でも一級の生息地域である.ブナ,ミズナラ,クルミ,クリをはじめとする落葉広葉樹林の保存が強く望まれる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |