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名 称 |
シモヤマジガバチモドキ | ||
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学 名 |
Trypoxylon shimoyamai Tsuneki | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目ケラトリバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:赤兎山(75,76),上秋生(149),和泉村:角野前坂(63),荷暮(34),南越前町(旧今庄町):夜叉ヶ池(535),若狭町(旧三方町):三十三間山(965) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
青森県産(下山健作氏採集)の標本により,常木博士が1958 年に新種記載されたジガバチモドキ.雄7 o,雌9 o前後の黒色を帯びた小形の種である.本種の生態は不明であるが,一般にジガバチモドキ類は,幼虫の食べ物にカニグモ類やハエトリグモ類などを狩り貯える.巣づくりは,内径3.5 〜7.5 oの竹筒やその他の既存坑を利用し,泥で仕切った後数個の独房を連ねる.本州に分布し,青森,埼玉,石川,福井県から記録されている.採集場所は主としてアリマキのついたカラマツやクルミなどの木の下である.県内では,大野市赤兎山,上秋生,和泉村角野前坂,荷暮,今庄町夜叉ケ池,三方町三十三間山の記録だけである.北方系の種で個体数も少なく,毎年1 個体の確認すら容易ではない.現在本県は日本海側における分布の南限である.夏から秋にかけて,山間部の出づくり小屋や民家付近の薪や竹の置き場の薄暗いところに生息している. | ||
保護の現状 と留意点 |
前回のみどりのデータバンク調査では,和泉村,大野市,今庄町,三方町で記録された.今回は,大野市上秋生や和泉村角野前坂,荷暮で記録されたが,非常に珍しい種である.山仕事の出づくり小屋やかや葺き人家も少なくなり,薪や竹などの置き場も激減した.また,雑木林を伐採しスギの人工林が多くなり,ジガバチモドキ類の巣づくりの環境が脅かされて絶滅の恐れがある.保護対策として,農薬散布の制限は言うまでもなく,豊かな昆虫相を維持する雑木の自然林を確保し,生息環境を整える対策が必要である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |