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名 称 |
フクイアナバチ | ||
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学 名 |
Sphex inusitatus fukuianus Tsuneki | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目アナバチ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
あわら市(旧芦原町):富津(539),三国町:崎(693),丸岡町:川上(431),福井市:一乗城山(442),松岡町:西野中(474),美山町:蔵作(380),大野市:南六呂師(160),越前町(旧越前町):高佐(885),敦賀市:常宮(863),名田庄村:挙野(1091) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
1957 年に勝山市産の標本により記載された大形のアナバチで,雌雄ともに体長30mm 前1957 年に勝山市産の標本により記載された大形のアナバチで,雌雄ともに体長30mm 前後,体全体が黒色で,顔面も黒い長毛で覆われ,翅も全体が黒ずんでいる.近似種のクロアナバチとは,顔面の黒色長毛と翅の黒ずみがより強いことで,容易に識別できる.福井県のほか京都,岡山,広島,新潟の諸県で記録されているが,採集個体数は少ない.本県では県内分布の調査が詳細に行われ,現在23 の市町村からその生息が確認されている.また詳しい生態観察もなされている.本種は山道の裸地などのほか,人家の庭や空き地に営巣することが多い.条件に恵まれると大きなコロニーを形成する.地下40 pくらいの所に育房を作り,幼虫の餌としてバッタ目のハネナシコロギスを狩り蓄える.ハネナシコロギスは低山地の雑木林の樹上生活者でかなり珍しいバッタ類である.クロアナバチなどは,キリギリス類ならどんな種類のものでも幼虫の餌にするが,本種はハネナシコロギスしか狩らないという習性上の特徴を持つ. | ||
保護の現状 と留意点 |
福井県では熱心な蜂屋さん達の調査の結果,生息地の記録は増えてきたが,毎年正確にコロニーが観察できるフィールドは多くない.本種は人家の付近に巣を作ることが多いので,わずかな土地造成でも影響を受けやすい.加えて幼虫の餌になる珍種ハネナシコロギスの生息環境も問題となる.環境庁の「日本の絶滅のおそれのある野生生物―レッドデータブック―(無脊椎動物編)」の希少種に指定されている本種を保護するためには,営巣地の環境保全とともに,周辺の里山の雑木林も大切にしなければならない. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |