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名 称 |
ヤマトセイボウモドキ | ||
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学 名 |
Cleptes japonicus Tosawa | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
ハチ目セイボウ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
大野市:小池(56),赤兎山(75),和泉村:前坂(63),田茂谷(16) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
長野県浅間産の標本により,1940 年に戸沢博士が記載された.その後,青森,栃木,石川,福井県で記録されているが,大変数少ない珍しい種である.体長6 o内外で,体色は黒色,頭胸部は黒みを帯びた青銅色で,腹部が褐色をしている.本種の生態は明らかではないが,他のセイボウモドキと同じように,ハバチの幼虫に寄生するものと思われる.本種は,やや薄暗い所で甘露のついた下草へ求蜜にくるが,詳しい生態環境は不明である.県内では,大野市赤兎山,小池,和泉村前坂,田茂谷で記録されただけで生息場所が限られている.6 月から9 月にかけ,主にアリマキの甘露が落ちて黒ずんでいる下草やクマザサの葉上で見られる. | ||
保護の現状 と留意点 |
今回の調査では,大野市赤兎山で羽田氏が1 雄1 雌を再確認しただけで,ヤマトセイボウモドキの新産地は開拓できなかった.その要因として,県内の深山の落葉樹が伐採されて,スギなどの針葉樹が植林されたため,寄主のハバチ類の個体数が激減したためと考えられる.保護対策としては,寄主のハバチ類を増やすため,食草であるミズナラやカエデなどの落葉樹の植林が必要である.また,ヤマトセイボウモドキの生態研究も望まれる. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |