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名 称 |
フタイロカミキリモドキ | ||
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学 名 |
Oedemeronia sexualis (Marseul) | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
コウチュウ目カミキリモドキ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
福井市:鮎川(843),越前町(旧越前町):越前岬(931),厨(883),午房ヶ岳(886),敦賀市:中池見(805),小浜市:蒼島(1085),高浜町:音海(1156),風島(1157) | ||
選定理由 |
分布限界種 | ||
区 分 |
A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの) | ||
解 説 |
体長6.5 〜9mm で,雄の後腿節が橙黄色の美しいカミキリモドキである.雌は普通種のキアシカミキリモドキに似るが,橙黄色の腹部で容易に識別できる.暖地性の種で,「原色日本甲虫図鑑(V)」(保育者)によれば,分布は四国,九州,対馬,五島列島,屋久島,琉球となっている.福井県からは,佐々治(1985 )により本州新記録として記録され,その後の調査で県内の日本海沿岸地域に普通に生息していることが明らかになった(酒井・上野・佐々治,1986 ).また,酒井(1996 )で福井市鮎川からも記録され,現在のところ分布北東限の記録となっている.顕著な種であるため,採集されていれば記録が見つかると思われるが,本州における本県以外の記録は見当たらない.飛地的な本県からの記録は分布上大変注目すべきであり,日本海に沿ってどこまで分布しているかが今後の調査の課題となっている.なお,福井市鮎川よりも少し北に位置する三国町雄島の照葉樹林からは,度重なる調査にもかかわらず発見されていない. | ||
保護の現状 と留意点 |
嶺南地方から嶺北地方にかけての海岸部に分布し、照葉樹の花に集まり、個体数も多い.現在の自然環境が維持されれば、今後も生息していけるものと思われる.しかし、本種が多数採集されている越前町越前岬一帯が、観光地として開発され、暖地性甲虫が多数採集されている良好な自然環境であったかつての面影を全く残さない状態に変貌してしまったのは残念である.国定公園として保護されている地域であり、災害防止等でやむを得ない場所以外の開発はできるだけ避けるべきである. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |