| |||
| |||
名 称 |
ヒゲブトナガクチキ | ||
---|---|---|---|
学 名 |
Dircaeomorpha elegans Sasaji | ||
分 類 1 |
昆虫類 | ||
分 類 2 |
コウチュウ目ナガクチキムシ科 | ||
位 置 (2kmメッシュ番号) |
南越前町(旧南条町):武周ヶ池(565),南越前町(旧今庄町):新道(643),大河内(494) | ||
選定理由 |
希少種 | ||
区 分 |
B(県レベルで重要なもの) | ||
解 説 |
体長約12mm 前後,円筒形で,前後に鈍く丸まり,頭部は背面からは目立たない.全体黒色で,背面にビロード様の光沢を持つ.各鞘翅は基部と後方にオレンジ色のいなずま状紋を持ち,基部紋は肩部と小盾板周辺は黒く,後方紋は横帯状.ナガクチキムシ類には斑紋のよく似た種が幾つかいるが,触角が先へ広がる点で区別出来る.本州,九州に分布し,温帯林下部に住む.ブナ帯には出てこないようで,クリ・ミズナラ帯に現れる.クリやミズナラの立枯れの,樹幹の樹皮が剥がれ,乾燥気味の部位に付いている.初夏に出現し,少ない.梅雨の半ばには姿を消す.本県では今庄町,南条町で記録されている.ミズナラ林のクリやミズナラで得られており,状態の良い木であれば,民家の脇にも見られる.暗い林内より,むしろ登山道の脇や林縁等日の入る明るい場所を好むらしい.また,ナガクチキムシ類はある程度,活動する木の部位を選んでいるようである.本種は立枯れの幹に付くタイプと思われる.6 月に採集例が多く,発生期間は短い.本種は,佐々治(1974 )によって今庄町大河内の標本に基づいて新種記載された.北限は東北地方南部である. | ||
保護の現状 と留意点 |
みどりのデータバンク調査では,今庄町が再録された(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1985 ).今回の調査では南条町が追加された.それ以外にも数例知られているが,いずれも丹南地方である.本県が基準産地である本種を保護するためには,現状の環境を維持することが重要である. | ||
(C) 福井県自然保護課 出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行) |