福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 タガメ
学   名 Lethocerus deyrollei (Vuillefroy)
分 類 1 昆虫類
分 類 2 カメムシ目コオイムシ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧金津町):宮谷(503),坂井町:下兵庫(582),福井市:勝美(552),本堂(704),高尾町(440),大野市:勝原(141)
選定理由 希少種
区   分 A(全国レベルで重要、または県レベルで特に重要なもの)
解   説  体長48 〜65mm の日本最大の水生カメムシ類で,小魚,オタマジャクシ,カエル類などの水生生物を捕食する.北海道から沖縄本島にかけて分布し,池沼,緩やかな流れの小川,水田などに生息する(岩井,1985 ;橋爪,1994 ).今回の調査事業では記録はないが,前回のみどりのデータバンク調査では5 箇所で記録された.これらの記録は,1978 年に既存資料を中心として調査されたもので,実際の記録は調査年以前のものである.現在最も新しい確かな記録は,1 ♀が1982 年5 月13 日に大野市勝原において採集されたにすぎない(下野谷,1998 ).しかし,福井市合谷町,大野盆地一帯,南川流域においては,わずかながらの未確認の目撃情報がある.
保護の現状
 と留意点
 本種は,大形の肉食性水生昆虫であることから,生息するには豊かな水生昆虫相を有する環境が不可欠である.しかし,農薬や生活排水による水質悪化,圃場整備や河川改修による水辺のコンクリート化など,かつての生息地の環境は,すでにほとんどが本種の生息に不適な環境となった.このままさらに水辺環境の悪化が進めば,本種が絶滅することは明らかである.よって,早急に生息実態調査を実施し,確認された場合には何らかの保護対策を講じる必要がある.





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)