福井県みどりのデータバンク すぐれた自然データベース
昆 虫 類
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名   称 ムカシトンボ
学   名 Epiophlebia superstes Selys
分 類 1 昆虫類
分 類 2 トンボ目ムカシトンボ科
位   置
(2kmメッシュ番号)
あわら市(旧金津町):清滝(466),丸岡町:竹田(398),福井市:足谷町(742),末町(744),上一光町(782),国見岳(781),永平寺町:志比(376),大仏寺山(377),美山町:高田(406,440),勝山市:取立山(132),谷峠(153),小原(155),法恩寺山(135,157),一本松(181),岩屋(299),大野市:真名川,和泉村:大谷(67),伊勢(127,128),越前町(旧越前町):米ノ(885,886),越前町(旧織田町):茗荷(879),武生市:日野山萱谷町(563),池田町:田代(冠山)(344),南越前町(旧河野村):今泉(832),南越前町(旧南条町):日野山南麓(601),上牧谷(566),南越前町(旧今庄町):岩谷川(534,535),二ツ屋(681),木ノ芽峠(725),敦賀市:黒河川(840,872),粟野(868),美浜町:折戸谷(902),若狭町(旧三方町):倉見(965),若狭町(旧上中町):河内(982),小浜市:下根来鬼ヶ谷(1036),上根来(1038),名田庄村:野鹿谷(1153,1154),大飯町:福谷(1141,1150),高浜町:子生(1148,1149),横津海(1160),日置(1159)
選定理由 希少種、生態学的に貴重なもの
区   分 B(県レベルで重要なもの)
解   説  ムカシトンボ科の中形の種で、体長約50mmである(植村,1985)。日本特産種で、北海道、本州、四国、九州に分布している。離島では、壱岐の後島に生息している(石田,1996)。主に山間の森林に囲まれた、河川の上流部や、源流部に生息している。
 今回の調査事業において、本種の集中調査を実施したところ、ほぼ全市町村に点在分布していることが明らかになった。成虫は、4月下旬から6月中旬にかけて、主に河川の源流部や上流部で記録された(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1998)。本種の幼虫の成長はたいへん遅く、成虫になるまで7年から8年を要する。また、急流の岩や石などの隙間にへばりつくようにして生活しているため、泥土などが流入して岩石の隙間が塞がっているような河床では、生息することができない。
保護の現状
 と留意点
 前回のみどりのデータバンク調査では、丸岡町、永平寺町、美山町、勝山市、大野市、武生市、南条町、今庄町、敦賀市、小浜市から記録された(福井県自然環境保全調査研究会昆虫部会,1985)。こんかいの調査では、美山町、大野市からの記録がなかった。調査量の不足が考えられるものの、源流部の森林伐採などによる環境の変化があることも否めない。よって、安定した源流部の生息地は保護対策が必要である。本種は、県内に広く点在分布しているものの、生息地はかなり局地化している。河川の源流部の森林伐採やスキー場の建設等によって、幼虫の生息環境を極端に変化させることは避けるべきである。越前海岸沿いの産地及び県境周辺の安定した産地は、保護上特に重要である。





(C) 福井県自然保護課
出典「福井県のすぐれた自然(動物編、植物編、地形地質編)」(1999年 福井県自然環境保全調査研究会監修 福井県発行)